
歯ぎしりに悩んでいたり、ご家族に指摘されたことはありませんか?歯ぎしりは、就寝中に強く歯をこすり合わせたり、日中に無意識に食いしばってしまったりと、本人が気づかないうちに歯や顎に大きな負担をかけてしまうこともあります。
歯並びを整える「インビザライン」ですが、歯ぎしりの改善にもつながるという声も聞かれます。実際のところ、インビザラインで歯ぎしりは本当に改善できるのでしょうか。ここでは、そう言われる理由やメリット、注意点について詳しくご紹介します。
■ 歯ぎしりの主な原因とは?
歯ぎしりは「睡眠時ブラキシズム」とも呼ばれ、多くの人に見られる習慣です。原因はひとつではなく、以下のような複数の要因が関わっていると考えられています。
・ストレスや緊張
日常生活でのストレスや精神的な負担が無意識に歯ぎしりとなって現れることがあります。
・噛み合わせの悪さ
上下の歯が正しく噛み合っていないと、睡眠中に顎が安定せず、歯ぎしりが起きやすくなります。
・生活習慣や癖
日中の食いしばりや、姿勢のクセ(頬杖・猫背など)も関係しているとされます。
・遺伝的要因
家族に歯ぎしりをする人が多い場合、遺伝的な要素も影響すると言われています。
歯ぎしりを放置すると、歯の摩耗や欠け、知覚過敏、顎関節症などにつながるため、早めの対策が大切です。
■ インビザラインが歯ぎしりに良い影響を与える理由
インビザラインは、透明なマウスピースを一定期間ごとに交換しながら歯を少しずつ動かすマウスピース矯正です。歯ぎしり改善効果があると言われている理由は大きく分けて2つあります。
- 噛み合わせを整える
歯ぎしりの原因のひとつに「噛み合わせの不調和」があり、インビザラインで歯並びを整えると、上下の歯が正しく噛み合いやすくなるため顎へかかる力が分散されます。その結果、過度な歯ぎしりが軽減されることがあります。
- マウスピースが歯を守る
インビザラインの装置はマウスピース型で、就寝中も装着するため、歯ぎしりによる摩耗や破損から歯を保護します。ナイトガード(歯ぎしり用マウスピース)のような役割を果たすため、歯のダメージを直接的に防ぐことができます。
■ インビザラインで歯ぎしりが改善することで得られるメリット
・歯の寿命が延びる
すり減りや欠けが防げるため、歯を長く保つことができます。
・顎関節への負担軽減
顎関節症のリスクが減り、顎の痛みや違和感が和らぐケースもあります。
・知覚過敏や歯の揺れの予防
歯ぎしりで負担がかかると歯肉が下がったり知覚過敏が進行することがありますが、それを防ぐ効果があります。
・睡眠の質が改善することも
歯ぎしりが減ることで、無意識に身体が緊張する回数が減り、眠りの質が良くなる場合もあります。
■ 注意しておきたい点
ただし、「インビザラインをすれば必ず歯ぎしりが治る」というわけではありません。ストレスからくる歯ぎしりには、矯正だけでなく生活習慣やリラックス方法の工夫も必要です。治療初期は噛み合わせが変化するため、一時的に歯ぎしりが強くなることがあります。
強い歯ぎしりがある方は、専用のナイトガードを併用する場合もあります。そのため、歯ぎしりに悩んでいる方は、治療を始める前に歯科医師に相談しておくことが大切です。
■ まとめ
インビザラインは本来「歯並びをきれいに整える治療」ですが、その過程で噛み合わせが改善され、歯ぎしりが軽減されることもあります。もちろん、すべての歯ぎしりに効果があるわけではなく、あくまで歯並びを整える治療であることを忘れず、ストレスや生活習慣などの他の対策も必要です。まずはお気軽にご相談ください。お口の状態を拝見したうえで、適切な治療法をご提案いたします。