
お子さまの歯並び治療として、透明で目立ちにくいマウスピース矯正「インビザライン(インビザライン・ファースト)」を検討されるご家庭が増えています。
しかし、保護者の方にとって一番の心配事は「学校生活」ではないでしょうか。
「給食の時間はどうするの?」
「体育や部活でぶつかったら危なくない?」
「子どもが自分で管理できずに、なくしてしまわないか心配」
このように、保護者の方の目が届かない学校での扱いに不安を感じる方も少なくありません。そこで今回は、お子さまが学校でインビザラインをスムーズに使用するための、具体的な対応ポイントをご紹介します。
■【給食・お弁当】外す・保管する・磨く
インビザラインは、食事の際に取り外せるのが大きなメリットですが、学校でのランチタイムには少し注意が必要です。お子さまには、以下の3つのルールを習慣づけてもらいましょう。
1.食べる直前に外す
マウスピースをつけたまま食事をすると、装置が破損したり、変形したりする恐れがあります。「いただきます」の前に必ず外すようにしましょう。
2.外したら必ず「専用ケース」に入れる
ここは非常に大切なポイントです。外したマウスピースを机の上に直接置いたり、ティッシュやハンカチに包んで置いておいたりするのは避けましょう。ティッシュに包んでいると、ゴミと間違えてうっかり捨ててしまったり、落として破損してしまったりするリスクが高まります。「口から外したら、すぐにケースへ」を合言葉に、ケースに入れる習慣を徹底することが大切です。
3.食後は歯磨き、難しければ「うがい」を
理想は、食後に歯磨きをしてからマウスピースを再装着することです。しかし、学校の休み時間が短いなど、どうしても歯磨きができない場合もあります。その場合は、水で強めに「うがい」をして食べかすを流してから装着し、帰宅してから丁寧に歯磨きとマウスピースの洗浄を行うようにしましょう。
■【体育・部活】つけたままで大丈夫?
体育の授業や部活動の際も、基本的にマウスピースはつけたままで問題ありません。
インビザラインのマウスピースは薄くなめらかな素材で作られており、歯列にぴったりとフィットします。そのため、運動中に外れてしまう心配が少ないだけでなく、万が一ボールが当たったり転んだりした際も、装置がお口の中の粘膜を傷つけるリスクを抑えられます。
マウスピースが歯全体を覆うことで、ガードのような役割を果たしてくれる一面もあります。
ただし、水泳の授業などで長時間外す必要がある場合や、保管場所に困るようなシーンについては、事前に対応を相談しておくと安心です。
■「紛失・破損」を防ぐために家庭でできること
学校でのトラブルを未然に防ぐために、ご家庭でできる準備があります。
- ケースに名前を書く
お友達のものと取り違えたり、落とし物になったりしないよう、マウスピースケースには油性ペンやシールで名前と連絡先を明記しておきましょう。
- 予備の対応を確認しておく
万が一、学校でマウスピースを紛失・破損してしまった場合に備え、1つ前のステップのマウスピースを捨てずに保管しておくと安心です。
■担任の先生に伝えておくと安心
新学期や矯正を始めるタイミングで、連絡帳などを通じて担任の先生に一言伝えておくことをおすすめします。
(例)「現在、歯の矯正治療中でマウスピースを使用しています。給食の時につけ外しが必要になり、本人も練習中です。よろしくお願いいたします」
事情を伝えておくことで、給食後の歯磨きの時間を考慮してもらえたり、何かあった際にサポートしてもらえたりと、お子さまが過ごしやすい環境づくりにつながります。
■まとめ
最初は「管理できるかな?」と不安に思われるかもしれませんが、習慣化するまでは焦らず、お子さまのペースに合わせて少しずつ進めていくことが大切です。ご家庭で「ケースに入れる」「うがいをする」といったルールを一緒に確認し、温かくサポートしてあげてください。
当院では、お子さまのライフスタイルに合わせたアドバイスも行っています。学校生活での不安や疑問があれば、カウンセリング時に遠慮なくご相談ください。
※本記事でご紹介した矯正治療は、公的医療保険が適用されない「自由診療(自費)」です。当院の診療メニューや費用・リスクについての詳細は、以下のページをご覧ください。